第24回参議院議員通常選挙
(投票日は2016年7月10日[日])
の情勢
参議院の選挙っていうのは、3年ごとに半分だけを選挙するってもんだから、ある政党が1回の選挙で票をたくさん取ったらそれで参議院を独占できるっていうわけじゃあねえんだよな。そこは衆議院とは違うところだよな。
ソテ(28歳くらい)今回の選挙の対象にはならない、3年前に当選した議員の数が多い政党は、今回の選挙ではそんなにたくさん当選できなくても、参議院にはまだけっこうたくさんの議員がいることになるんですよね。逆に、今回の選挙の対象になる、6年前に当選した議員の数が多くて、今回の選挙の対象にはならない、3年前に当選した議員の数が少ない政党は、今回の選挙であまりたくさん当選できないと、参議院の中での勢力がかなり小さくなっちゃいますよね。
コーシ(35歳くらい)ちなみに、現状(2016年1月20日)の各政党の参議院の議席数は、こんな感じらしい。
政党名 |
今回の選挙で 対象になる数 |
今回の選挙では 対象にならない数 |
合計 |
---|---|---|---|
自由民主党 | 50 | 65 | 115 |
民主党 | 42 | 17 | 59 |
公明党 | 9 | 11 | 20 |
日本共産党 | 3 | 8 | 11 |
おおさか維新の会 | 2 | 5 | 7 |
維新の党 | 4 | 1 | 5 |
日本を元気にする会 | 2 | 3 | 5 |
日本のこころを 大切にする党 |
1 | 3 | 4 |
社会民主党 | 2 | 1 | 3 |
生活の党と山本 太郎となかまたち |
2 | 1 | 3 |
新党改革 | 1 | 0 | 1 |
改革結集の会 | 0 | 0 | 0 |
(無所属) | 3 | 6 | 9 |
サキノブ(21歳くらい・学生)
う〜ん、民主党とか維新の党とかは、今回の選挙で対象になる数の割合がちょっと大きいですかねえ。今回の選挙の結果が悪いと、参議院の中での勢力がこれまでよりもかなり小さくなっちゃいそうですかねえ。自由民主党とか日本共産党とかおおさか維新の会とかは、今回の選挙では対象にならない数の割合の方がけっこう大きいですかねえ。・・・というか、政党ってなんか増えたり減ったりしてますかね?「日本のこころを大切にする党」だとか「改革結集の会」なんて前からありましたっけ?それから、前は、自由民主党でもなく民主党でもない、いわゆる「第三極」っていうので、「みんなの党」とかありませんでしたっけ?
コーシ(35歳くらい)え〜と、3年前の参議院選挙の頃から比べると、完全に新しく立ち上げられた政党はないのかな。ここ3年くらいの政党の変遷はこんな感じらしい。
コーシ(35歳くらい)
「みんなの党」は、2014年11月に解散したらしい。「みんなの党」にいた人たちの一部は、「日本を元気にする会」っていうのを2015年1月に作ったらしい。「日本のこころを大切にする党」は、「次世代の党」が2015年12月に党の名前を変更したらしい。「改革結集の会」は、2015年12月に「維新の党」から分裂してできたらしい。
ソテ(28歳くらい)あっ、「維新の党」は3つに分裂したんですか。もともとの「維新の党」にいたあの人は今どこにいるのかなあ。
ソータロー(35歳くらい)う〜ん、「第三極」とかって言われてた政党で、今でもそのまま残ってるところはねえんだなあ。自由民主党でもなく民主党でもない「第三極」っていうのに期待してた連中もけっこうたくさんいたんじゃねえかと思うんだけどなあ。今の「維新の党」はかなり民主党寄りだっていうし、「おおさか維新の会」は自由民主党寄りだっていうしなあ。
サキノブ(21歳くらい・学生)現状だと、どこの政党が一番たくさん当選しそうなんでしょうかね?
コーシ(35歳くらい)うーん、新聞の世論調査とかだと、40%くらいの人がまだどこの政党に投票しようか特に決めてないらしい。ちなみに調査の回答率は75%ぐらいらしい。
ソータロー(35歳くらい)こういうのって、面倒だとか思って意図的に回答しなかった奴とかもけっこういそうじゃねえかな。意図的に回答しなかった奴っていうのはどこの政党に投票するか特に決めてねえ奴が多そうな気がするけど、もしそうだとすると、どこの政党に投票するか特に決めてねえ奴の割合は実際にはもっと多いかもなあ。
コーシ(35歳くらい)どこの政党に投票しようか特に決めてない40%くらい以外としては、自由民主党に投票しようかと思ってる人が35%くらい、民主党に投票しようかと思ってる人が9%くらい、おおさか維新の会に投票しようかと思ってる人が6%くらい、日本共産党に投票しようかと思ってる人が3%くらい、とからしい。
サキノブ(21歳くらい・学生)う〜ん、まだどこの政党に投票しようか特に決めてない人が多いとはいえ、このままいったら自由民主党の楽勝な感じですかね。
ソータロー(35歳くらい)う〜ん、それはどうかなあ。今はまだ本格的な選挙活動が始まってなくて、ニュースとかでたくさん報道される与党が知名度が高くて有利とかっていうのもありそうだしなあ。ちなみに、6年前の、2010年の時の同じころ(選挙の半年くらい前)だと、その時は民主党が政権を取ってたんだけども、民主党に投票するつもりっていう奴が33%で、自由民主党に投票するつもりって奴が20%だったらしい。しかし結果は、さっき見た一覧表でもわかるけども、自由民主党の方がたくさん当選したなあ。
コーシ(35歳くらい)それから、自由民主党に投票しようかと思ってる人がけっこう多いっていっても、ある世論調査によると、その理由の80%くらいが、「他に良さそうなところがなさそうだから」っていうことらしい。
サキノブ(21歳くらい・学生)えっ?え〜とそれはつまり、「自由民主党がいい」っていうわけでもないんだけど、他に良さそうなところがなさそうだから、なんかとりあえず自由民主党に投票するかなあっていう人がほとんどっていうことですかね。
ソテ(28歳くらい)う〜ん、みんなの関心で高そうなのは、この国の景気が良くなるかとかじゃないかなあと思いますけど、まあ、「アベノミクス」とかっていうのにかなり期待してたりその効果を信じてたりする人も多いんですかね。
コーシ(35歳くらい)うーん、ただ、世論調査とかだと、「アベノミクス」を「評価する」って答えてるのは37%くらいで、「評価しない」って答えてる42%くらいよりも少なかったりするし、「アベノミクス」で今後の景気が「よくなると思う」って答えてるのは27%くらいで、「よくなると思わない」って答えてる49%くらいよりもかなり少なかったりする。
ソテ(28歳くらい)えっ?あっ、あれっ?
サキノブ(21歳くらい・学生)う〜ん、なんか、あまりいいとは思ってないし期待もそんなにしてないけど、それよりもましなところが他になさそうだから仕方がないっていう、こう言っちゃなんですけど、国民から見るととてもレベルの低い争いになってるってことですかね。
ソテ(28歳くらい)「他に良さそうなところがなさそうだから」っていうのは、つまり、他に良さそうなところが出てきたり、他に良さそうなところが見つかったりすれば、そっちに投票する可能性が高いっていうことですかね。
サキノブ(21歳くらい・学生)民主党だとか維新の党だとかは、これから支持率を上げるような作戦とかはあるんでしょうかね?
ソータロー(35歳くらい)う〜ん、今の様子を見てると、民主党だとか維新の党だとかの野党はどこも、自分のところだけで自由民主党よりもたくさん当選するのは無理そうだと思ってそうかなあ。民主党だとか維新の党だとか日本共産党だとかは、「選挙協力」とかって言って、「それぞれの政党で獲得できる票を足し合わせて、自由民主党の立候補者よりもたくさんの票を獲得して当選しよう」とかっていうことをやろうとしてるらしい。
サキノブ(21歳くらい・学生)「それぞれの政党で獲得できる票を足し合わせる」?
ソータロー(35歳くらい)例えば、当選できる人が1人だけの選挙区で、各政党が普通に立候補者を1人ずつ立てて選挙をすると、自由民主党の立候補者が40%、民主党の立候補者が25%、維新の党の立候補者が10%、日本共産党の立候補者が15%の票を獲得して、結果として自由民主党の立候補者が当選したりする。じゃあ、民主党と維新の党と日本共産党が事前に話し合いをして、3党で立候補者を1人にして、3党のみんなで「うちの政党の立候補者に投票したいと思ってる人はこの人に投票してください」ってすれば、単純に3党の立候補者をそれぞれ立てた場合の獲得票数をたしたら50%になるから、自由民主党の立候補者は落選になってこの候補者が当選できそうだ、とかっていう考えみてえだな。
サキノブ(21歳くらい・学生)あっ、なるほど、まあなんか、お互いをつぶし合わないようにするっていうことでもありますかね。
ソータロー(35歳くらい)まあただ、選挙協力をしようっていう政党どうしでの事前の話し合いっていうのがうまくまとまるかどうかとか、まだわかんねえけどなあ。ある政党の中であの政党とは協力したくねえとかっていう奴がけっこういたりとかもあるみてえだし。それから、投票する方としても、民主党は好きだけど維新の党は嫌いだっていう人とかがいたら、そういう人とかは、民主党の人が立候補してなくて維新の党の人が立候補してて、民主党の人から「今回は維新の党の人に投票してください」って言われても、どのくらいの人がすんなりと維新の党の人に投票するかなあ。
ソテ(28歳くらい)あっ、う〜ん、たしかに、そう簡単にはうまくいかないかもしれないかあ。まあ、何が今度の選挙での一番の争点になるかとかにもよりますかねえ。
ソータロー(35歳くらい)まあなんか、「選挙協力」じゃなくて、新しい政党を作ってみんなそこに合流しようかみてえな話もあるみてえだけど、実際問題としてそれもなかなか実現は難しそうかなあ。
コーシ(35歳くらい)ちなみに、3年前の同じころ(選挙の半年くらい前)は、どこの政党に投票しようかまだ特に決めてない人の割合っていうのは、20%くらいだったらしい。今回は3年前の2倍くらいあるね。まあ、まだ選挙の主な争点も定まってない感じだし、今回の選挙の結果がどうなりそうかはまだまだ全然わからなそうな感じかなあ。なんかなんとなくこのままの雰囲気でいって自由民主党がたくさん当選するかもしれないし、何かのきっかけで国民の意識が変わっていって自由民主党はあまり当選できないことになるかもしれないし。
サキノブ(21歳くらい・学生)ちなみに、なんかまた新たな政党が立ち上がってそれが躍進するとかっていう可能性はないんですかね?
ソータロー(35歳くらい)う〜ん、まあ可能性はあると思うが、今のところは、なんか新しい政党が新たに立ち上がりそうとかいう話はオレは聞いたことがねえかなあ。まあ、今の状況だと、なんか国民の多くは、自分がいいと思えるような投票先が見つかってねえみてえだし、なんか例えば、自由民主党寄りでもなく民主党寄りでもなく、いつも国民のことを考えて行動して、この国の政治の悪い部分を改革して、今の若い世代のこともしっかり考えてくれて、真面目に一生懸命がんばってくれるような政党とかあったら、かなり支持を得られそうな気もするけどなあ。う〜ん、まあでも、現実問題として、無名の人間たちだけでなんか立ち上げたりしても、マスコミとかはほとんど取り上げてくれなさそうだし、知名度を上げられなくて、いきなり躍進とかっていうのは普通にやってたら難しそうかなあ。
サキノブ(21歳くらい・学生)そういえば、去年(2015年)の夏頃に国会前でデモをしてた、SEALDs(シールズ)とかっていう団体とかはどうしてるんですかね?あの辺の人たちは今は何をしてるんですかね?新しい政党作ったり誰か参議院選挙に立候補したりしないんですかね?
ソータロー(35歳くらい)まあ、あの辺の連中とかは、あくまで、集団的自衛権の行使だとか戦争の手伝いをすることだとかに反対するっていうだけで、この国の政治全体を受け持とうっていう気はねえんじゃねえかな。それから、SEALDs(シールズ)とかって、大学生とかが活動の中心だったと思うし、みんな30歳になってなくて立候補できねえんじゃねえかな。
サキノブ(21歳くらい・学生)あっ、そういえば、参議院って、30歳にならないと立候補できないんでしたっけ。18歳選挙とかっていっても、そこは変わらないんでしたっけ。
コーシ(35歳くらい)ちなみに、SEALDs(シールズ)は、「学者の会」だとか「ママの会」だとかの他の4つの団体と共同で、「市民連合」っていう団体を去年(2015年)の12月に作ったらしいね。なんか、当選者が1人だけの32の選挙区で野党が候補者を絞り込むように、いわゆる「選挙協力」をするように、野党に働きかけるらしい。それで、去年の夏に強行採決された安保法の廃止とか集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回とかの基本方針に賛同する候補者を推薦して、選挙応援とかをするらしい。独自の立候補者は擁立しないらしい。ちなみに、SEALDs(シールズ)と同じような方向性の活動をしてる高校生の団体のT―nsSOWL(ティーンズソウル)っていうところも、この「市民連合」と同じように、野党の選挙協力を求めてるらしい。
ソテ(28歳くらい)う〜ん、そうですか、野党の選挙協力を応援ですか・・・。まあぼく個人的には、なんか本当に国民にとって良い政党とかが出てきて、そこが将来政権を取ってくれたらいいんじゃないかなあと思うんだけどなあ。野党の選挙協力を応援っていうことは、新しい政党なんて出てきたらじゃまなだけですかね・・・。
ソータロー(35歳くらい)まあ、このままいくと、ある程度野党の選挙協力とやらができたとしても、また、国民の多くが、投票したい政党とか立候補者がいねえって思って、投票率は60%以下とかになっちまって、結局自由民主党がたくさん当選するってことになりそうな気もするかなあ。まあ、あくまで、立候補する人間とかも含めて、まだまだすべては国民次第なわけだけども。
コーシ(35歳くらい)ちなみに、今、アメリカでは、誰が大統領選挙に立候補するかを決める選挙の選挙運動が行われてるんだけど、候補者の支持率って数ヶ月でこんなに変わるんだね。
コーシ(35歳くらい)
本格的に選挙運動が始まって、具体的な事柄がいろいろ議論されるようになって、国民がそれにかなり関心を持つようになったりしたら、選挙の情勢なんてガラッと変わることもあるんじゃないかな。