第25回参議院議員通常選挙
(投票日は2019年7月21日[日])
報道を見ながら思ったこと
参議院選挙の前ってことで、テレビとか新聞とか週刊誌とか、参議院選挙関連の報道がいろいろあるねえ。ただ、それでみんなが本当にうまく投票先を決められそうかなあって考えてみると、情報の量も内容もかなり足りなさそうな感じがするかなあ。まず、NHKとかも含めてほとんどのマスコミとかは、立候補してる政党とか候補者とかに対して公平とか平等とかじゃない感じがするかなあ。
ソテ(28歳くらい)今回の参議院選挙では、比例代表に立候補してる政党は13あるんですけど、党首が出るテレビ番組とかって、どれもだいたい、もとから有名な7つの政党くらいしか出られないんですね。新聞に載る各政党の公約とかも、だいたい7つか8つの政党くらいなんですね。れいわ新選組がちょっと小さい欄で入るか入らないかっていう感じで。他の半分くらいの政党は、ほとんどいないもの扱いなんですね。
サキノブ(21歳くらい・学生)なんかしかも、たいていの報道は、自民党が一番最初で一番時間が長かったり一番記事の欄が大きかったりしますよね。この国の国民は特に、有名なものに流されやすい人も多いようだし、こういうのはかなり不公平なんじゃないかなあ。
ソータロー(35歳くらい)まあ、民間放送テレビ局の番組とか新聞とかは、別に偏向報道だろうが好き勝手に報道してもかまわねえ立場だと思うが、実際問題として公平だとか平等だとかじゃねえ報道をしてるんなら、公平だとか平等だとかをよそおうようなことはやめといた方がいいんじゃねえかなあ。それはその時だまされた人たちはけっこう損をするかもしれねえし、結局は自分たちの信頼も失われていくんじゃねえかなあ。
コーシ(35歳くらい)NHKって、現実問題として、みんなから強制的に受信料っていうのを集めてるんじゃないかな。それでなんか普段から公平・平等をよそおってる感じだけど、実際は、今回の選挙関連の報道とか、かなり不公平・不平等なこともやってるんじゃないかなあ。まあ、そもそも今のこの国の政治自体が、みんなから強制的に集めた税金で、一部の人たちだけが得するようなこともけっこうやってるっていうのが現状かもしれないけど、これでこの国は本当に民主主義の国なのかなあ。ちなみに、新聞っていうのは、消費税が今年(2019年)10月から10%になる時に税率が8%のままになるっていう「軽減税率」の対象なんだっけ。公平だとか平等だとか中立だとかであろうがなかろうが。
ソテ(28歳くらい)う〜ん、NHKって、別に今すぐ放送しなくてもいいようなバラエティ番組とかもゴールデンタイムとかでたくさんやってるんじゃないかなあ。どうして有名じゃない政党とかは出演もさせてくれないのかなあ。ちなみに、参議院選挙に立候補するには「供託金」っていうお金を払う必要があって、選挙区で立候補するので300万円、比例代表で立候補するので一人当たり600万円かかるらしいですね。まあ、そのお金は当選するかある程度たくさんの得票が得られれば返金されるらしいですけど、有名じゃない政党とかは、それだけのお金を払って、マスコミとかにはほとんど取り上げてもらえなくて実際問題としてすごく不利そうとかって、それはとてもかわいそうじゃないですかね。
サキノブ(21歳くらい・学生)えっ、参議院選挙に立候補するのってそんなにお金がかかるんですか。それは実際問題として、お金持ちの人ならわりと簡単に立候補しやすいでしょうけど、そうじゃない人は立候補しにくいんじゃないですかね。民主主義で一定の年齢以上になれば誰でも立候補できるとかっていっても、実際はけっこうお金次第かも・・・?
コーシ(35歳くらい)実際問題として、お金持ちとかじゃなくて有名とかでもない人とかは、実際はどんなにみんなにとって良い政治をする能力があったとしても、立候補もしにくいし、立候補してもマスコミとかも取り上げてくれなくていないもの扱いとかだから、当選もかなりしにくいんじゃないかなあ。
ソータロー(35歳くらい)世間では、「良い政党とか政治家とかがいない、出てこない」とかって言われてたり、実際そう思ってる人も多いかもしれねえが、既存の政治家とかがやりたい放題でひどい政治とかしててもそのまま続けられちまうっていうのは、そういう、選挙の仕組みだとか報道のされ方だとかにもけっこう原因があるのかもなあ。
コーシ(35歳くらい)
それから、テレビとかで、一部の政党の党首の話を聞く番組とか、一部の政党の党首たちの討論番組っぽいのとかをやってたりするけど、なんか、事前に決まってる段取りどおりにみんなが自分の言いたい主張をするだけっていうようなのが多い感じがするかなあ。おかしなことを言ってたり実現不可能そうなことを言ってたりあいまいなことを言ってたり質問にちゃんと答えたりしてなくても、誰にも突っ込まれたりせずに平然と進んでいくものが多い感じがするかなあ。見てる方は政治とかにそんなに詳しくない人もいるだろうし、そういうのだと、とにかくなんか良さそうなことをたくさん言った人が有利になっちゃったりするんじゃないかなあ。
ソテ(28歳くらい)討論とかっていうんなら、もっとみんな好き勝手に言い合ったり聞き合ったりしてもらった方が、どんな政策が良さそうなのか判断したり、どの政党が自分の考えに近そうなのか判断したり、どの政党の人が信頼できそうか判断したりとかしやすくて、みんなの役に立つんじゃないかなあ。
サキノブ(21歳くらい・学生)う〜ん、例えば今回、「NHKから国民を守る党」っていう政党が立候補してますけど、他の政党はNHKについて今のままでいいと思ってるのかとか聞いてみたいなあ。
コーシ(35歳くらい)政治家とかが言いたいこと言ってるのだけを聞いても、やっぱり、
- それが本当にみんなにとって良いことなのかわからない
- それが本当に実現可能なのかわからない
- 抽象的に言ってることについては、具体的にどういうことなのかわらかない
- 言ってないことでもやりそうなことがあるのか知りたい
とかっていうこともけっこうあるんじゃないかなあ。そういうのを、政治の専門家だとか経済の専門家だとか教育の専門家だとか外交の専門家だとかが素人にもわかりやすく解説してくれたり検証してくれたりとかしてくれるテレビ番組とかがあったらみんなの役に立ちそうじゃないかなあと思うけど、今回もなんかそういうのはあんまりなさそうな気がするかなあ。
ソータロー(35歳くらい)
選挙前ってことで、世論調査っていうのもいろんなところがいつもより大規模に頻繁にやってるなあ。それで選挙結果の予測だとかもいろいろ出てるなあ。まあただ、いつもより大規模っていっても、実際に投票できる人は1億人以上いる中で、世論調査で聞いてるのは3万人とか5万人とかくらいみてえだな。そしてそのうち実際に回答をするのは50%くらいの人とかで、その中でもまだ投票先は決まってねえって人も50%くらいいたりするみてえだな。
ソテ(28歳くらい)あ、ということは、聞いた人の中で、どこかの政党に投票するつもりって具体的に答えられたのは、全体の25%くらいだけっていうことかな。
サキノブ(21歳くらい・学生)世論調査って、なんか電話をてきとうにいろんな人にかけて聞いてるんですよね。それで回答してくれた人のものを集計してるんですよね。それってなんか、回答してる人にけっこう偏りが出たりするんじゃないかなあ。特に平日にやってたりすると。仕事とか学校とかで家にいる時間が少ない人とか、携帯電話にかかってくるにしても仕事とか学校の授業とか家事とかで忙しい人とかは、なかなか回答できないんじゃないかなあ。
コーシ(35歳くらい)ちなみに、「投票に行くつもりか」っていう質問とかだと、たいていの世論調査で「必ず行く」「行くつもり」の合計は80%以上になったりするんだけど、実際の選挙の投票率は50%くらいになったりするかな。まあ、投票にあまり行くつもりがない人とか、そもそも政治について聞かれてもよくわからないっていう人とかは、回答しない人が多いのかな。まあ実際問題として、回答してない人の割合とか投票先が決まってない人の割合とかもかなり高いわけだから、そういう人達の多くがどこかの政党にけっこうまとまって投票することになったりすると、世論調査での予測とかは大きく外れても全然不思議じゃないんじゃないかな。
ソータロー(35歳くらい)ちなみに、世論調査の政党支持率とかは、その時の与党が、実際の選挙の結果よりも優勢に出てたことが多いような感じがするかなあ。まあ、いきなり電話かかってきて聞かれたりしてもまだあんまりよく考えてなかったりして、「とりあえず現状維持でいいかな」とかって回答する人も多いのかなあ。普段の世論調査の内閣支持率とかも、実際より高く出てる場合も多いのかもなあ。ちなみに、前回の衆議院選挙の時(2017年10月)だと、投票日の20日くらい前の世論調査では、ある政党に投票するつもりの人は7%くらいだったのが、投票日の数日前の世論調査では13%くらいになって、実際の比例代表の結果では投票した人の20%くらいの票を取った政党があったな。
ソテ(28歳くらい)あ、たしかに、突然世論調査の電話がかかってきても、新しくできた政党とかについてはまだ全然知らなかったりする場合もあるだろうし、もうちょっとよく考えたら回答が変わるっていうこともけっこうありえそうかなあ。
サキノブ(21歳くらい・学生)う〜ん、普段のニュースとかだと、政治家って、与党の人ばっかりをかなり多く見る気がするけど、選挙前になると他の政党の人もけっこう見るようになるっていうのも、なんかけっこう影響がありそうな気がするかなあ。まあ、もともと有名じゃない政党の人とかは選挙前でも全然マスコミとかに取り上げてもらえないみたいだけど。
ソータロー(35歳くらい)まあ、実際問題として、この国に限らず、世論調査っていうのはけっこう大きく外れることもあるみてえだな。特に最近は。アメリカでトランプ氏が大統領になったり、イギリスでEU離脱が国民投票で決まったって時も、事前の世論調査では、当時の与党の方がかなり優勢な感じだったけども、結果は逆になったな。
ソテ(28歳くらい)あ、なんか、トランプ氏って一般的にメジャーな感じじゃなかったから、世論調査で答える時に周りに人がいて他の人も聞いてるような場合とかだと、本当はトランプ氏に投票するつもりなんだけどそうは答えなかった人もけっこういたらしいっていう話もありましたっけ。
コーシ(35歳くらい)
ところで、選挙前の世論調査に限らず、最近の世論調査だと、「支持する理由」とかで、「他より良さそうだから」とかっていうのがよくある気がするけど、支持してるんだから「他より良さそう」って思ってるのはほぼ当然なんじゃないかなあ。その、なんで「他より良さそう」って思うのかの理由を聞かないと、聞いてる意味があんまりないんじゃないかなあ。
サキノブ(21歳くらい・学生)あ、あー、たしかに、「他より良さそう」って聞いても、何かわかるようで、理由としてはなんか何もわからないような気がするかなあ。
ソータロー(35歳くらい)う〜ん、まあ、「他より良さそう」としか言えねえんだとしたら、他の理由を何も言えねえんだとしたら、それはつまりは、「なんの根拠もないけどなんとなくそんな気がするだけ」とかっていうことなのかなあ。なんかこう、宗教的な感じで信じてるとか・・・?
ソテ(28歳くらい)あっ、なるほど。・・・て、それって、自分でうまく考えたり判断したり全然できてないんじゃ・・・。でも世論調査だと最近はそんな人がかなりたくさんいそうなんでしたっけ・・・。この国は民主主義の国ってことになってますけど・・・。そういう人たちに支持(?)された人たちがこの国の政治をやってる・・・?
サキノブ(21歳くらい・学生)う〜ん、まあ実際問題として、世論調査の時には、「他より良さそう」っていう選択肢はなくして、「特に根拠はない」とか「自分でもなんで支持してるのかよくわからない」とかを加えてみた方がいいんじゃないかなあ。その方が実際の世の中の現状が具体的によくわかるようになるんじゃないかなあ。世論調査を受けた人も、ちょっと具体的に考えるきっかけになったりするんじゃないかなあ。