誰でも価値を生み出す活動
がしやすいようにする
この国で生み出される価値の量が増えるには、みんなの、「価値を生み出す時間が増える」っていうのも、一つの方法でしたっけ。「価値を生み出す時間が増える」っていうのは、みんなもっと長い時間働かないといけないっていうことですか?
コーシ(35歳くらい)まあ、例えば、定年を越えて年金暮らしをしてる人とか、主婦の人とかが、時間とかに余裕があって、その時間に、世の中に価値を生み出すことをするようになれば、そんなに無理とかせずに、この国全体の価値を生み出す時間が増えるっていうことも可能なんじゃないかな。まあもちろん、直接お金をもらえることだけが価値を生み出しているっていうことではないと思うし、主婦の人とか、会社とかで働いてない人でも、今でも社会に対して多かれ少なかれ価値は生み出してる人が多いだろうと思うけど。
ソータロー(35歳くらい)本当はいわゆる正規社員っていうので働きたいんだけども、そういう仕事につけなくて、無職だったりアルバイトだとかパートだとか派遣社員だとかいわゆる非正規社員で働いている人とかが、正規社員とかになってもっと働きたいだけ働けるようになるっていうのとかも、「価値を生み出す時間が増える」っていうことになるかな。
サキノブ(20歳・学生)あっ、なるほど、そういうケースもあるか。
ソータロー(35歳くらい)本当はもっと世の中に対して価値を生み出せる能力もあるしやる気もあるのに、法律だとか社会の構造だとかが原因で、そういう活動ができなくなってたり、そういう活動をすると損をしてしまうのでそういう活動をしなくなってたりする部分とかは、法律だとかを変えたりして、できるだけみんなが積極的に価値を生み出す活動をできるようにして、価値を生み出す活動をする人がちゃんと得できる環境を作っていった方がいいんじゃねえかな。
サキノブ(20歳・学生)あっ、そういえば、うちの母親は、スーパーマーケットでパートだかアルバイトだかをしてるんですけども、あんまりたくさん働きすぎると損になるからって言って、もっとたくさん働こうと思えばその時間はあるんだけど、そんなに働かないようにしてるらしいなあ。
コーシ(35歳くらい)みんながより価値を生み出しやすくするには、会社とかが従業員を雇う場合の採用の仕方とか待遇の仕方とかも、みんなもっと賢くできるようになっていった方がいいんじゃないかな。
ソテ(28歳くらい)「もっと賢く採用したりする」?
コーシ(35歳くらい)会社とかっていうのは、基本的に、価値を生み出して利益を出していくところだと思うけど、みんないつも、本当にたくさんの価値を生み出せそうな人を賢く採用できているかな? 現状だと、学歴だとか職歴だとか年齢だとか性別だとか見た目だとかなんとなくの雰囲気だとかで、なんかてきとうに判断しちゃってるようなことも多いんじゃないかな。実際の相手の能力だとか成長性だとかも具体的に理解できてなくて、未来のことをあまりうまく予測できずに、賢くうまく判断できていないことも多いんじゃないかな。
ソテ(28歳くらい)あっ、実際問題として、同じような仕事を長くやってるっていう人でも、その仕事をそんなにうまくこなせてなくて今後も成長しなさそうな人もいるし、その仕事を未経験の人でも、すぐに仕事をどんどん覚えていってたとえ何か状況が変わったとしてもいつも臨機応変にうまく対応できて常に高い価値を生み出せる人とかもいますよね。実際にたくさんの価値を生み出せる人を雇った方がその会社にとっても雇われる人にとっても得になることだと思いますけど、現状だとたしかに、その仕事の経験者とかじゃないとなかなか採用されないとか学歴が低いと採用されないとかいうこととかも多そうですかね。
サキノブ(20歳・学生)そういえば、「三国志」っていう、二千年くらい前の中国の話では、劉備元徳(りゅうびんげんとく)っていうほとんど領土も持ってなかった人が、諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)っていう若くて無名で特に何の実績も無い頭の良い人を、三顧の礼(さんこのれい)で頼み込んで迎えて抜擢して、三国の一つになるまでのし上がったりしたんでしたっけ。まあ、なんか今のこの国だと、就職活動とかって、会社とかの方がすごい立場が上な感じで、従順な奴隷みたいな態度を示さないと雇ってもらえないような感じで、三国志の話みたいなことはまず起きなさそうかなあ。会社の経営者の人たちとか人事の人たちとか、もしくは政治家の人たちとかって、みんな三国志とかは読んだことないのかなあ。
コーシ(35歳くらい)まあ、「伯楽(はくらく)は常にはあらず」(名馬は実際にはけっこういるけど、名馬をしっかり見分けられる伯楽のような人物はいつもいるとは限らない。世の中に優秀な人間がけっこういても、それをしっかり見分けられる人間がいないこともある。)という言葉があるけど、この国では、本当に優秀な人間を見極められる人間っていうのがとても不足している状態なのかもね。よく、この国の会社とかが他の国の会社とかとの競争に勝てなかったときとかに、「人材不足だった」とかって言ってたり言われてたりするけど、本当にこの国で一番不足している人材は、「本当に優秀な人材を見極められる人材」の方なのかもね。
ソータロー(35歳くらい)それから、給料とか職場環境とか休みの取りやすさとかの待遇にしても、たくさんの価値を生み出せる人にはより良い待遇にした方が、雇われる方もやる気が出てよりたくさんの価値を生み出しやすくなるだろうし、その方が結局会社も利益を多く出せることが多いんじゃねえかな。
サキノブ(20歳・学生)あっ、良い仕事をしてもたいして報われないとかだと、そりゃあやる気も出なくなって当然ですよね。自分の能力をもっと高めようだとかも思わなくなりますよね。社会全体がそういうところばっかりだったら、生産性も上がらなさそうだし、その社会で生み出される価値は少なくて、その社会の景気は良くならなさそうですかね。
ソータロー(35歳くらい)まあ、雇われる方も、できるだけ自分が能力を存分に発揮できて高い価値を生み出せてそれなりに報われるような会社とかを選ぶようにして、賢い就職をできるようになった方がいいんじゃねえかな。会社とかは実際に入ってみねえと実態がよくわからない場合とかも実際あるだろうから、実際に働いてみて自分には合わないとかもっと良い待遇のところがあるんじゃないかとか思ったら、転職とかも考えてみた方がいいんじゃねえかな。
サキノブ(20歳・学生)あ、う〜ん、奴隷根性みたいな感じで、待遇が悪くてがんばっても報われなくてやる気も出なくてもみんな我慢して働いてるようだと、雇う方もそれでできるだけこき使えばいいかっていう感じになりそうだよなあ。
コーシ(35歳くらい)ちなみに、1990年から2021年のデータを分析すると、転職とかが多い国ほど、みんなの給料が大きく増えてたっていう傾向があるらしい。その30年くらいで、日本は平均勤続年数が12年でみんなの給料はほとんど増えてなくて、アメリカは平均勤続年数が4年でみんなの給料は1.6倍くらいになってたらしい。