現在の日本の財政状況
日本の財政状況は・・・
ソータロー(35歳くらい)ちなみに、この国は今(2023年8月)、1,276兆円以上の借金があるらしい。まあ、借金にもいろいろ種類があるようだけども、税収で返済する必要のある普通国債の発行残高っていうのは、1,026兆円以上あるらしい。ちなみに、この国で一年間に集められてる税金は、70兆円くらいらしい。
サキノブ(20歳・学生)えっ? 一年間に入ってくるお金が70兆円くらいなのに、それで返済すべき借金が1,026兆円以上もあるんですか? なんかけたが一つ違うんじゃないかっていうくらい、借金が多すぎませんかね? ・・・その借金っていつ完全に返済できるんですかね。入ってくるお金をすべて借金返済にまわすなんてことはできないと思いますし、借金には利子もつけて返さなくちゃいけないんですよね。ちなみに利子っていうのはどのくらいかかるのかな。
ソータロー(35歳くらい)国が借金をするときにどのくらいの利子をつけて返さなきゃいけねえかっていうのは、その国の景気の状態とかによってもかなり違ってくる。基本的に、その国の景気が良いと、他にもっとたくさんの利子をつけて返してくれる借り手がたくさんいたりして、利子の額が上がる。本当に景気が良い状態だと、10年間お金を借りるので、年間あたり、借りた額の4%以上とかになるかな。アメリカは今そんな状態だな。最近(2023年8月)の日本は、0.6%くらいとかみてえだな。これでも数年前とかよりはだいぶ上がった。
サキノブ(20歳・学生)え、「0.6%くらい」って・・・、本当に景気が良い状態の時と比べるとえらく低いですね。まあ、それっていうのはつまり、やっぱりこの国は今でも景気がかなり悪いっていうことですかね。
ソテ(28歳くらい)う〜ん、借金が1,000兆円以上もあったら、この国の景気が本当に良くなって、利子の割合が3%とか4%とかになったら、利子の支払いだけで毎年35兆円以上とかになっちゃいそう? それだけで税収の半分くらいになっちゃいそう?
コーシ(35歳くらい)まあ、国が借金をする時の条件っていうのはいろいろあって、一年間だけお金を借りるんでもっと利子の割合が低かったり、ある程度低い利子の割合で長い間お金を借りる約束をしているのとかもあるようで、一般的な利子の割合が上がっても急にそこまでは利子の額は増えなさそうかな。ただ、現状でも借金の利子の支払い費用は年間8兆円以上になってるようで、利子の割合が1%増えると3.6兆円くらい利子の支払い費用が増えそうらしい。もし利子の割合が3%増えると、利子の支払い費用は10.8兆円くらい増えて、19兆円くらいにはなりそうかな。
ソータロー(35歳くらい)まあ、近年のこの国の財政状況は、入ってくるお金が税外収入だとかも含めて70兆円くらいなのに100兆円くらいのお金を使ってる状態で、利子を払うとか借金を減らすとかどころじゃなくて、毎年さらに借金を数十兆円くらい増やし続けてる状態だったな。さらに最近は新型コロナウィルスの流行もあって、2020年度の歳出総額は175兆円以上、2021年度の歳出総額は142兆円以上、2022年度の歳出総額は139兆円以上だった。2023年度も114兆円以上にはなる見込みらしい。
サキノブ(20歳・学生)えっ? まだそんなにどんどん借金を増やしてる状態なの? ニュースとかだと、近年はアベノミクスだとかなんだとかでずっと景気が良くなってるんじゃなかったでしたっけ? 「戦後最長の景気回復」とかってニュースとかで盛んに言ってても、しかも消費税とかもどんどん上がってるのに、さらに税金を今の1.5倍くらい集めるようにしないとまだ借金がさらに増えちゃう状況なの?
ソテ(28歳くらい)う〜ん、景気が悪いと税収が少なくて借金は減らせなさそうで、でも景気が本当に良くなったら今度は借金の利子が高くなりすぎてそれはそれでまた借金を減らすのが大変になりそうですかねえ。う〜ん、これっていうのは、もう、いわゆる、詰んでる状態なんじゃないですかね・・・。現実問題として、この借金の返済は、もうかなり無理なんじゃないですかね・・・。現状の日本政府(自由民主党・公明党政権)だとかの借金返済計画とかはどうなってるのかなあ。
ソータロー(35歳くらい)内閣府っていうところが現状考えてる理想の見通しだと、とりあえず、2026年頃には、収入より支出が多いっていう状況からは抜け出す見通しだそうだけども、それでもこれまで積み上がった膨大な借金がどんどん減っていくわけじゃあねえし、そもそもその見通しも、この国の国内総生産(GDP)の成長率が今の2倍以上になるとかっていう前提で、それが実現できそうな具体的な根拠はないっていう状態で、実現可能性はかなり低そうかな。実際、今は2026年頃って言ってるが、以前ははもっと早い時期にって言ってたのがいつもどんどん先延ばしになってるのが現実だし、今までの流れでいくと、むしろ、収入と支出が同じくらいになることすら永久に無理かもなあ。ちなみに、消費税を1%引き揚げると、年間の税収は2兆円くらい増える感じらしい。
ソテ(28歳くらい)あ、消費税が2%とか3%とか上がると、お金にそんなに余裕がない人とかは普段の生活とかもけっこうしんどくなりそうですけど、それでもこの国の財政状況をそんなに劇的に解決できるほどじゃないんですね。
サキノブ(20歳・学生)う〜ん、1,026兆円以上も借金があったら、仮に、毎年10兆円くらい、収入の15%くらいを借金返済にしたとしても、100年以上かかりますよね。しかもさらに利子がかかるから、景気が本当に良くなって利子の額が上がって利子だけで年間20兆円くらいとかになったら、10兆円返してもさらに借金が増えることになっちゃいそうですよね。しかも現状は、毎年収入より支出を少なくするっていうことですら、実現可能性が低そうな、いわゆる希望的観測なのかあ。
コーシ(35歳くらい)ちなみに、借金はお金を貸してくれる人がいる限りはできることだけども、通常だと、無限に借金を増やし続けるってことはできないんじゃないかな。いつか、これ以上はお金を貸してくれる人がいない、これ以上はお金を借りられないっていう状態とかになっちゃうんじゃないかな。場合によっては、世の中の状況が以前とは変わってきたりしたら、今までは借りられた金額でも急に借りられなくなるなんてことも起こりうるんじゃないかな。
借金をすぐに返していかないと・・・
ソータロー(35歳くらい)ちなみに、借金をすべて返済するのが遅くなると、借金した奴じゃねえ奴らがその借金を返済することになっちまったりするよな。
ソテ(28歳くらい)あっ、借金をした世代が亡くなっていった後に、残された借金を、それ以降の世代が一生懸命働いて返したりしなくちゃいけなくなったりするかあ。
サキノブ(20歳・学生)えー? それはなんか不平等なんじゃないですかねえ。借金は基本的に借りた人が返すべきなんじゃないですかねえ。借金してそのお金を使って何かしら得した人たちが借金を全然返さないでいなくなって、後の世代の人たちはその借金を返すだけなんて、あまりにかわいそうじゃないですかねえ・・・。
ソテ(28歳くらい)まあ、前の世代が借金してやったことで後の世代の人も得してるものもある程度はあるかもしれないですけど、世代間であろうが、借金の返済を他人に押し付けるようなことしてたら、お互いが協力し合う「社会」なんて成り立たないんじゃないかなあ。
コーシ(35歳くらい)この国は人口も減少傾向のようだから、これから、一人あたりの借金返済の負担は、より大きくなっていくんじゃないかなあ。
ソータロー(35歳くらい)それだったら、借金した世代がまだ生きてて人口もまだ多いうちに、消費税とかでもさっさとある程度上げて、税金を何にいくら使うかとかもすぐにいろいろ見直したりして、できるだけ借金は早く減らしておいて、借金した世代がいなくなったらまた消費税とか下げた方がいいかもなあ。まあ、まずは根本的に、無駄遣いしてるところだとか、上級国民だとか大企業だとかが楽に儲けられるようにお金を配ってるようなところだとか、効率悪くお金を使ってるところだとかをなくしていくのが第一かなあと思うけど。
これ以上借金できなくなったら・・・
ソテ(28歳くらい)ちなみに、借金する額があまりにも大きくなりすぎて、そんなにはお金を貸してくれる人がいない状況になったら、お金を十分に借りられない状況になったら、その時は具体的にどうなっちゃうんですかね?
サキノブ(20歳・学生)国とかっていうのは、借金取りに追われて夜逃げとかできませんよね。
ソータロー(35歳くらい)まあ、そのときの日本政府だとかがどうするかにもよるかな。急にみんなから集める税金を大幅に増やすか、急に支出を大幅に減らすか。まあ、税金使ってやってたことを急にたくさんやれなくなったりすると、国民の生活だとか場合によっては国民の命だとかがいろいろ犠牲になるかもしれねえな。まあもしくは、お金を勝手に作ってしまう、とか。
サキノブ(20歳・学生)えっ? 「お金を勝手に作ってしまう」?
コーシ(35歳くらい)この国は、自分の国のお金を自分の国で作ってて、この国のお金は日本銀行っていうところが発行してるんだけども、足りない分のお金をその日本銀行に作らせてそれを使うということも、まあ現実問題として、やろうと思えばできちゃうかな。
サキノブ(20歳・学生)えっ? ・・・え〜と、そんなことができちゃうんなら、むしろ税金とか集めたりせずに、それでどんどんお金を作らせて使えばいいんじゃないですかね?
ソータロー(35歳くらい)ただ、そうすると、経済政策のところでも言ったけども(経済政策 -> お金自体の価値)、この国のお金の量が増えて、その結果みんなの持ってるお金の価値が勝手にどんどん下がって、みんなの暮らしは貧しくなっちまうだろうな。
ソテ(28歳くらい)あっ、例えば1万円のお金を持ってても、お金自体の価値が下がっちゃうと、結果的に物の値段とかがみんな上がることになっちゃったりして、今まで買えたものも買えなくなったりして、生活が貧しくなっちゃうんですよね。
サキノブ(20歳・学生)あっ、国のせいでみんなが持ってるお金の価値が強制的に下がって国民が勝手にどんどん貧しくなっちゃうなんて、それは良くないですよね。なんのための「国」なんだか、誰のための「社会」なんだか。みんなが協力し合ってみんなが得するどころか、みんなが損しちゃうんじゃ。
ソテ(28歳くらい)そういえば、お金の価値がどんどん下がって物の値段とかがどんどん上がっていっちゃう現象を、「ハイパーインフレ」とかって言うんでしたっけ。お金を稼いでも稼いでもどんどん貧しくなっちゃうっていう世界になるのかな。
ソータロー(35歳くらい)まあただ、今のこの国は、国の借金の半分以上を、実際のところ日本銀行がお金を作ってそのお金を貸してるような状態になってるらしい。
サキノブ(20歳・学生)えっ!? そんなことしてるの!?
ソータロー(35歳くらい)最近、この国のいろんなものの値段がほとんど何もかも上がってきてるけど、その原因はそうやってこの国のお金がどんどん増えちまってることがかなり大きそうかな。
コーシ(35歳くらい)まあなんにせよ、基本的に、借金を膨大にふくらませた先に、国民にとって良いことはないんじゃないかな。もともとお金をたくさん持ってて国にお金を貸してる人とかは利子がもらえてちょっと得したりするかもしれないけど、国自体が駄目になっちゃったらそれ以上に損することになる人も多そうだし、「国」だとかの「社会」としては、もともとお金をたくさん持ってる人を簡単に得させたりするより、この国で本当に価値のあるものを生み出せる人たちがその力を発揮できるようにしたり、運悪く不遇な環境になってしまってる人とかを助けたりとかってことをやっていった方がいいんじゃないかな。
一番の問題は・・・
サキノブ(20歳・学生)う〜ん・・・、なんか、この国の財政問題って、現実を知れば知るほど、将来を考えれば考えるほど、絶望的な気分になってきますかねえ。まさかそんな状態になってるなんて、全然認識できてなかったなあ。
コーシ(35歳くらい)まあ、この国が本当に景気が良かったら、みんなが本当に豊かでみんながお金に余裕があったら、借金を返していくのに必要なだけのお金を税金で集めればそれでいいだろうけど、今のこの国の経済状況(経済政策 -> 現在の日本の経済力・景気)だと、税金を上げるとみんなの生活がかなり苦しくなっちゃいそうだし、これはとても大変な問題じゃないかなあ。
ソータロー(35歳くらい)まあ、経済の話の時にも同じようなことを言ったが(経済政策 -> 現在の日本の経済力・景気)、現状の一番の問題は、国民の多くが今のこの国の状況を正確に認識できてなさそうっていうことかもなあ。国とかの社会っていうのはその中の一人一人によって作られていくものだと思うが、みんなが今のこの国の状況を正しくわかってなくて、それでできるだけ明るい未来を具体的に目指してうまくがんばっていけるかな、それで本当に民主主義の政治が行われるようになるかな。この国はここ三十年とかずっとそういう状態で、それでこんな膨大な借金をかかえることとかになっちまったんじゃねえかな。このままだと今後もそれが続いていくんじゃねえかな。まあ将来、国民の多くがこの国の財政状況とかの実態を正確に理解することになった時とかには、まあその時にはもういろいろ手遅れになっちまってるかもしれねえけど、マスコミだとか政治家だとかは、「どうしてそんな重要なことをちゃんと教えてくれなかったんだ」ってみんなから思われて信頼を失うことになるかもなあ。