「にょきにょき」の開発の方向性

「にょきにょき」は、ただなんとなく作ってみたっていうゲームじゃなくて、 遊ぶ人がこういう楽しみを味わえるようにしたいっていう明確な目標があったうえで、 設計されたゲームなんだよね。

あ、そうなんですか。ちなみに、その目標っていうのは具体的にどういうものなんですか?

まず一つは、もともとゲームがそんなに得意じゃない人とかでも、ちょっとがんばれば爽快感を味わえること。

爽快感?

ソテ君は「ぷよぷよ」はあんまりうまくないよね。 「ぷよぷよ」をやってて、爽快感を感じたことはどのくらいあるかな?

えっ、う〜ん・・・。なんか、正直なところ、爽快感っていうのはあんまり感じたことがない気がするかなあ。

サキノブ君はどう? 「ぷよぷよ」をやってて爽快感を感じることは?

ぼくは5連鎖くらいまでなら実力でけっこう作れますけど、素早く無駄なく5連鎖が作れたときとか、 7連鎖以上ができたときなんかは、かなり爽快感を感じますね。

あっ、「ぷよぷよ」で爽快感を感じるのって、そういう時かあ。 ぼくはゆっくり考えながらやってたまに運よく3連鎖ができるとかって感じだから、 そういう経験はしたことがないなあ。 「ぷよぷよ」ってうまくなればそういう楽しみも味わえるのかあ。

ぼくは10連鎖くらいでもぱぱっと作れるから、爽快感はけっこういつも味わってるかな。 一人で遊んでる時なんかは、そういう爽快感目当てで遊んでる部分が大きい感じがする。

コーシ先輩はどんな形でも10連鎖くらいあっという間に作れるもんなあ。 ソテ先輩も早くうまくなればいいんですよ。 あの爽快感を知らないなんて、もったいないですよ。 あの爽快感を知らないってことは、あのゲームの価値も本当にはわかってないってことですよ。

え〜、そんな簡単に言われても、連鎖って難しいんだけど。 サキノブだってできるようになるまでにけっこう練習したでしょ。

まあたしかに、コーシ先輩に教えてもらったりもしながら、かなりたくさん練習しましたかね。

「ぷよぷよ」の連鎖って、一度できるようになっちゃえばそんなに難しく感じなくなるけど、 初めてやる人とか、小中学生とかにとっては、かなり難しいんじゃないかな。 最初に落ちてくる「ぷよ」をまずどこに置いたらいいのか見当もつかなかったりするんじゃないかな。 実際問題として、連鎖がある程度できるようになる前にやめちゃう人もかなり多いんじゃないかな。 特に最近は、昔に比べて全体的に、難しいゲームが少なくなってきてて、難しいゲームを根気よくやるのとかに慣れてない人とかも多そうだし。

ファミコンの時代とかは、難しいゲームがたくさんあったんですよね。 コーシ先輩が子供のころに遊んだゲームって、ロックマン2とかスぺランカーとかグラディウスとかですもんね。

MOO仁井谷さんは、連鎖が全然できないままにやめちゃう人がけっこうたくさんいて、爽快感とかを味わえないで終わっちゃう人がけっこう多いのが 「ぷよぷよ」の欠点だと考えてて、「にょきにょき」ではその部分の改善を目指して設計をしてた。

う〜ん、なるほど。たしかに、あの連鎖の難しさがもうちょっとどうにかなれば、たくさんの人が本当に楽しめそうだし、 ぼくみたいな普段そんなにゲームをやらない人とかでももっと気楽に遊べそうかなあ。

それから、対戦型ゲームとして、上級者と初心者とかで対戦しても楽しめるようにしたいっていうことも大きな目標にしてたね。

あっ、それはいいかも。「ぷよぷよ」とかって、相手との実力にある程度差があると、対戦を楽しみにくいんですよね。 対戦の時に難易度を5段階くらいで選べたりもしますけど、それで差をつけても、 なんかあんまりハンデにならなかったりするんですよね。 多少難しい状況でも上級者は素早く5連鎖くらい作れるけど、初級者は簡単な状況でもゆっくり3連鎖くらいしか作れなかったりするし。 今のぼくとしては、「ぷよぷよ」では、コーシ先輩が相手だと強すぎるし、でも他の人が相手だと弱すぎるしで、 同じくらいの実力の人がいなくていまいち対戦を楽しみにくいです。

うん、「ぷよぷよ」が最初に流行った頃とかは、みんなが同時期に始めて、みんな一緒にだんだん上達していったりしたからよかったけど、 今は先にうまくなっちゃった人がたくさんいるし、昔のブームの時ほどたくさんの人がいつもやってるわけじゃないし、 同じくらいの実力の人がその辺にいないっていう場合も多いんじゃないかな。 MOO仁井谷さんは、実力に差があると対戦が楽しみにくいっていうのも「ぷよぷよ」の欠点だと分析してて、 「にょきにょき」の設計では、上級者と初級者とかでも対戦が楽しめるゲームにすることを目標にしてた。 まあその方が、親子とか孫とか、てきとうに集まった友達どうしとかでも楽しみやすいだろうしね。

う〜ん、なるほど、そういうことをしっかり考えて作られたゲームなのかあ。

まあ他にも細かい点でこだわってるところはいろいろあるみたいだけど、主な開発の方向性としてはこんなところかな。